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千石 ウナギ整骨院のお知らせ

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月が綺麗ですね

明治の文豪・夏目漱石が英語の教師をしていたころ,生徒の一人が“I love you.”を「我君を愛す」と訳したのを見て「日本人はそんなこと言わない。月が綺麗ですねとでも訳しておきなさい。」と言った,という話があります。ただそれを明記した文献はなく,ただの俗説だろうという考えが主です。もし本当だとしたら,漱石はとんでもないキザ野郎大変なロマンチストですね。

さて,昨夜は満月で,さらに地球と月との距離が近くなるため大きく見えるスーパームーンでした。ふと眺めた人も多かったのではないでしょうか。仕事を終えて院から大塚駅に向かう道にもちらほら月を眺めたりスマホを天に向けたりする人が見られました。逸話と同じ意味で「月が綺麗ですね」と囁いた人・・・はさすがにいないかな。

セーラー服を着た美少女戦士や髭ガンダムのナノマシン兵器など,月と聞いて思い浮かぶものは人によってさまざまだとは思いますが,私は最近「ポロロッカ」という自然現象が浮かびます。カカロットでもバラライカでもなくポロロッカです。
アマゾン川の流れが逆流する現象のことを言うのですが,これがまた実に興味深いものです。

ご存知の通り,地球の周りを月は公転しています。で,地球は太陽の周りを公転しています。地球と月は,さながらハンマー投げ選手とハンマーのような関係で,遠心力で遠ざかろうとすると同時に万有引力で引かれ合っているため,月は地球から離れることなくまわり続けています。ハンマー投げ選手自身もハンマー側に腕を持っていかれそうになりながら回しているのを見てわかるように,地球もまた月の引力を受けています。太陽と地球の関係もそれに近いものです。
で,地球と月と太陽の位置関係によって月は満ち欠けをし,時々月蝕や日蝕などのレアな現象を起こします。その中でもこの3つの天体が一直線に並んだときに,地球上ではある変化が起きます。

月‐地球-太陽の並びの時,月は満月になります。この時,地球は両サイドからそれぞれ太陽からも月からも引っ張られます。
その影響で地球の表面を覆う多くのもの,つまり海面が盛り上がります。これを満潮と言います。その分,引っ張られていない場所の海面は下がります。これを干潮と言います。
また,地球-月-太陽の並びの時,月は新月になります。地球は一方を月からと太陽からの引力が重なることで満潮になり,その逆は遠心力で満潮になり,やはり回転軸から垂直位置になる点では干潮になります。
自転と公転は恒常的に行われているため,その状態はまもなく崩れます。そうすると海では干満の差が崩れ,波が起きます。
アマゾン川ではその河口の干満差が5メートル近くなることもあり,ただでさえ勾配がゆるやかな川はそれにより下流の方が水位が高くなり,逆流するポロロッカが起きるというわけです。

なお,この波でサーフィンに挑む人もいるそうです。アマゾン川ってピラニアとかいなかったっけ。生物の生息域まで見ていないのでその辺はわかりません。



以前テレビで観た警察24時(?)で,リポーターの「なんで今夜はこんなに多いんでしょうか」といった問いに対し,人情派のベテラン警察官が「満月だからですかね」と答えていました。月は何かと,人を魅了するようです。



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