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千石 ウナギ整骨院のお知らせ

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クッキーを焼けば炭になる

 「クッキーを焼いてきた」
 普通に使われる言い方です。材料状態の薄力粉や卵やバターが然るべき処理をされた結果美味しく食べられる状態,つまりクッキーに加工されました。

 私が文学部の学生だった時,よく授業で一緒になっていた女性はよく薄力粉をクッキーに加工して持ってきました。きっと今頃は誇るべき日本の加工貿易に加担していることでしょう。私はずっと不思議に思っていました。週3ペースでクッキーを焼いてきてくれることにではなく,「クッキーを焼く」という言葉についてです。クッキーを焼いた場合は炭になるんじゃないのか。焼かれたのは薄力粉や卵やバターを混ぜた生地であってクッキーではない,なので正しくは「薄力粉や卵やバターを混ぜた生地を焼いてきた」になるわけです。持参物がクッキーであることを伝えたいのであれば「クッキーを作ってきた」と言わないといけません。

 これを本人に言ってしまうあたり,デリカシーの欠片もない19歳の冨島少年。しかし相手もさるもの。翌日から「薄力粉を加工してきた!」と言ってくるようになりました。怒って作って来るのを辞めたり,「クッキーを作ってきた」の方をチョイスしたりしないあたり,本当に面白い人でした。
 

 前置きの思い出話はこれくらいにしておいて,今日は「思考停止」のお話をします。日々の出来事に追われると,考えることはなるべく少なくしたくなります。すると特に取り扱う必要がないと判断したものについては決めつけて疑問に思うことがなくなってしまう。これを思考停止といいます。

 「こういうルールだから」「これが常識だから」と,ジャッジを人のせいにして動きを制限する人もいれば,「私はこういう人だから」と誰が決めたでもないはずの自身にまで何らかの縛りをする人もいます。そういう人はルールを破ったり常識外れのことをする心配こそ低いものの,自発性が損なわれがちです。かといって「自分は自分!ルールなんか知るか!」と好き勝手やろうとすれば常識によって煙たがられ,ルールによって潰されます。そこで必要なのは,ルールや常識の中にあってもそれを守りつつ利用し,変えてみようとする自発的な工夫,なんなら自分の考え方ごと変えてしまえる柔軟性なのだろうと思います。例のクッキーの人はそれがあったのだと思います。

 ただ,日頃生活する中で思考停止を忌み嫌っていちいち見直して肝心なものが疎かになってしまってはいけません。ただ,根を詰めすぎてしまったときに完全に余裕を失う前にこんな時間を持てても良いのではないかと思うわけです。

 クッキーの例のように,ふと使われる言葉に対して疑問を持つのも良いし,生活の中で当たり前のようにしていることを見直すのも良いと思います。私も最近,当院のベッド配置を大幅に変えましたが,思いのほか使いやすくなりました。そのうち診療時間もいじりだすかもしれません。良くするためなら何でも聖域なく変えます。
 緩やかに伸びてきたものの,まだ1人での運営でやっとの状態。スタッフなど頼める身ではないと決めつけていましたが,受付スタッフを募集してみてはどうかと言われるようになりました。それによって伸びる可能性も出てくるそうで。募集してすぐ来るわけではないですが,募ってみようと思います。これはまた他の記事で。。



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