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健康診断の意味を実感する話

 こんにちは。千石ウナギ整骨院の冨島です。突然ですが,みなさんはご自身の身体の状態をどのように把握していますか?

 

「特に問題はないと思うよ」「少し体が重い感じがするかな」「いつも眠い」「最近お腹の肉が落ちないの」「最悪…もう首や肩がバキバキ。何とかして。」

 

このお仕事をしていると,いろいろな人からさまざまな状態をそれぞれの言葉でお聞きすることがしばしばあります。まれに,わざわざ健康診断の結果票を持ってきてくださる方もいますが,ほとんどの方はご自身の身体について抽象的な,ざっくりとした把握にとどめているように思います。

 

身長や体重をはじめ,コレステロール値,血糖値など,身体の状態を表す数値は数多くあります。その全てを一度の検査で測定する機会はほとんどなく,学校や会社での健康診断で測られるものはその中のほんの一部です。

それらの数値には年齢や性別などによってそれぞれ正常値が設けられており,それより高すぎても低すぎてもよろしくない,となります。とはいえ,項目によっては個人差の範囲で憂慮には及ばないものもあるため,結果票に記された数値一つ一つに対し神経質になることはありません。逆に身体によくありません。

 

今回は,測定する機会があれば必ず着目し,良くない場合はきちんと向き合っていただきたい項目の一つ 『血圧』 についてお話をしたいと思います。

なぜ整骨院の人間が血圧について話すのかといいますと,私自身がかつて重度の高血圧症を患い一歩間違えれば今こうしてお仕事をすることすらかなわなくなるかもしれない事態に陥ったことがあるからです。これまで(といってもまだ3回目の投稿ですが)と少々テイストを変え,今回は実体験をお話しいたします。

 

 

 

 

 今から10年近く前のことですが,当時私は茨城県のある高校で国語の教員の仕事を始めたばかりでした。それまでは埼玉の実家で過ごしており,赴任すれば初めての一人暮らしとなるのですが,とても良くして下さった大学の先生の勧めとあって熟慮することなく応募を決めたのを覚えています。

 しかし慣れない環境と難しい仕事で私は早々に余裕を失くしました。うまくいかないことの多さに苛立ち,うまく流せず抱えこんだストレスの捌け口が塩分高めの食事や,飲めもしないお酒に向きました。それでも,よい先輩方に恵まれ一年間は特に大きな問題も起きず(起きても代わりに処理していただき…)過ごすことができました。

 

 しかし二年目に入り,少しずつ異変が出始めます。まず,年度はじめに撮るクラスの集合写真で私の身体の幅が一年前と比べ明らかに広くなっていました。体重が15キロほど増えていたのです。また,階段の上り下りが日に日にきつくなり,息切れすることも増えてきました。やめられない深夜の飲酒や過食の影響もあり就業時間中に睡魔に襲われることもありました。

 

 春に受けた健康診断。担当の先生とのカウンセリングで,まったく予想しなかった言葉が飛んできます。

「先生,このままでは死んでしまいますよ。」

しかし不真面目な私は,この人は何を言っているのだと思うのみで結果票にもほとんど目を通さず,勧められた精密検査も忙しさを言い訳に先延ばしにしていました。

 

 そのまま夏休みを迎え,生活を改めることなく二学期が始まり最初の授業。夏の宿題を集める時間でした。普段からあまり真面目に授業を受けてもらえていなかったクラスのため,おそらく未提出の山だろうと勝手に想像し叱り文句を考えながら教室に入り,私語がまばらな生徒諸君に号令をかけようと大きく息を吸った途端…

鼻の奥から上唇にかけて生温い液体が流れるのを感じました。こんな時期に風邪かなと,ポケットティッシュを当て液体をふき取り,廃棄すべく折りたたもうとした手は眼前に広がる想定外の光景にその動きを止めました。

 真っ赤なのです。それどころか,ふき取ったはずの上唇から次々と赤いものがしたたり落ちてきたのです。あぁこれはまずいやつだ。ようやく事態を理解し,生徒に謝罪し自習を指示し保健室へ。一連のドタバタの末,近所の病院に運ばれ診てもらったところ,診断は「ただの鼻血」。今日は帰って安静にしていなさいとの指示に従い仕事を早退扱いにしてもらい18時ころに早い就寝。

 翌朝3時ころ,ふと目を覚ましてみると,枕が真っ赤に染まっており,今度は口からの血の流出が止まらぬ有様。

 

「た…ただの鼻血でこうはなるまい…」

 

 職場には翌朝電話で事情を話し,実家に連絡をとり,もともとお世話になっていた総合病院にかかってみたところ,即座に入院および手術を含めた処置をすべしと言われ,事態を十分に把握する間もなく病室に案内され,なかなかの本数の点滴を打たれ,数日後には副鼻腔(鼻の奥の空洞)で止血のためのバルーンを膨らませる手術を受け,降圧剤を投与されながらひたすら寝る…といった状態になりました。輸血の同意書にもサインした記憶があります。そして入院は2週間近いものになりました。

 

 ある程度落ち着いてから聞いた担当医の先生のお話によると,収縮期血圧(上の血圧)200を超えていた。幸い副鼻腔で血管が切れたから鼻や口からの出血で済んだけれど,脳で出血したら重大な後遺症どころか,命を落とす危険性もあった…とのことでした。恥ずかしながら,その時初めて高血圧は危ないということを知りました。なお,年齢によって多少上下しますが血圧の正常値は収縮期血圧(上の血圧)は130,拡張期血圧(下の血圧)は85くらいと言われています。

 

 

 

 

 その後の治療のおかげで今ではすっかり良くなり,1日1錠の降圧剤もそう遠くないうちに終わりにできるだろうと言ってもらえるまでになりました。ありがたいことです。

 

 血圧が高くなってしまう理由は多くあります。少し憤るだけでも上がります。喜びにはしゃいでも上がります。そういった感情の起伏をセーブするのはそう簡単ではありません。怒ってばかりの人は抑えた方がよろしいかもしれませんが。また,夜更かしも毒です。塩分高めの食事が良くないというのは普段からよく耳にすることかと思います。肥満も高血圧の元です。私はまず痩せることだと言われていました。

 

 現在特に問題ない人は予防を,すでに症状がある人は改善のためにまずはじめにするとよいのはおそらく減塩でしょう。体内の塩分量はしっかり管理すべき重要な要素です。その詳細はまた別の機会にて…


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